IT業界の転職、ウソ・ホント 転職回数が多いと不利ですか?

Q.

転職回数が多いと不利になりますか?

「キャリアアップのため、これまで2回の転職を行ってきましたが、現在の会社の業績不振に伴い3回目の転職を考えています。実務経験は自分でも申し分ないと思うのですが、ほとんど一次面接までで落とされてしまいます。やはり、転職回数が多くなると不利になるのでしょうか?」

(31歳 SE)

A.

私がお答えします。

石山 元善(いしやま・もとよし)
Spring転職エージェント コンサルタント
IT機器・通信機器のセールスを経てアデコへ。IT部門に配属されエンジニアのキャリア支援に従事する。一旦他業界を経験後、コンサルタントとして、流通系・医療系領域を担当。モットーは求職者目線で地道にコツコツと。

基本的には転職回数が多いと不利ですが、明確に理由を説明できれば必ずしもマイナスになるとは言えません。

転職回数が多さは、原則として不利になります。ただし、採用担当者は転職回数だけでなく、転職にあたっての動機や目的、達成された成果にも注目しています。

転職理由をきちんと説明し、転職によるスキルアップを証明できれば、マイナスを帳消しにできるはず。転職回数にこだわらない、外資系企業やベンチャー企業を狙うのもひとつの手です。

転職回数が多い=定着率が悪いとみなされる

結論からいえば、転職回数が多いほど転職活動にあたっては不利といえます。

転職回数が多い人は、どうしても採用担当者から定着性が悪いと見なされる傾向があります。そもそも何回も転職を繰り返すような人は、職場環境や業務の内容に不満があると、すぐに次の会社へ転職してしまうのではないか…、そう考えられやすいわけです。

一部の保守的な会社では、3~4回の転職を繰り返してきた人の応募を、書類審査の段階で落としてしまうことも珍しくありません。質問者のように30代で2回の転職を行っている場合、会社側が採用に及び腰になってしまうことは十分に理解できます。

もちろん仕事をしていて、今のままでは自分のキャリアアップに必要なピースを埋めることができないと感じたり、会社の倒産といったやむを得ない理由により転職を行う場合もあるでしょう。

そこで大事なのが、これまでの経歴において何のために転職し、その結果どのようなキャリアを積むことができたのか、採用担当者にきちんとアピールすることなのです。

ここで実際に、転職回数がまったくマイナスとならなかった例を見てみましょう。

自らのスキルを磨くことを目的に2回の転職

寺島義人さん 32歳
システムエンジニア

中堅SIerでシステムエンジニアとして勤務する寺島さん(仮名 32歳)。大学卒業後は小規模なソフトハウスに入社しましたが、SEとして上流工程に携わり、お客さんと折衝するスキルに磨きをかけたいという希望から27歳で現在の会社に転職。

たまたま会計システムのプロジェクトに配属されたことをキッカケとして、会計分野のエキスパートになりたいという希望を持つようになります。

そこで、再度の転職を決意した寺島さん。仕事の合間に勉強していた簿記の資格を取得し、転職活動に挑みます。結果、独自の会計パッケージを持つ大手SIerからオファーを受け、会計システムを専門とするコンサルタント職として採用されることに。

年収もこれまでの650万円から、50万円のアップとなる700万円となりました。

寺島さんの場合は、高い意識を持って転職を行っており、しかも転職を行うごとに目標に向けてキャリアアップを果たしていることがハッキリとしています。つまりそれだけ、企業にとっても魅力が大きい人材だということです。

寺島さんのようなケースで、転職回数が2回程度であればほとんどは問題とされることはないでしょう。

目標のない転職の繰り返しはマイナスに

では逆に、採用担当者が敬遠するのはどのようなケースなのでしょうか?
同じように中堅SIerでSEとして勤務する、加藤健一郎さん(33歳 仮名)の例を見てみましょう。

仕事の内容に不満を感じて3回の転職

加藤健一郎さん 33歳
システムエンジニア

加藤健一郎さんの務める会社は主に二次受けとしてプロジェクトに参加することが多く、客先に常駐しての作業がほとんどです。プロジェクト単位で仕事の内容が大きく変わることも多く、不満を感じているといいます。

現在までに3回の転職を繰り返していますが、いずれもキャリアアップの目的を実現することができず、結果として今に至るまで同じような仕事を続けています。

それでも諦めきれない加藤さん。さまざまな会社に応募しますが、そのほとんどで面接に進めないまま落とされてしまいます。

転職前の職種や年齢、転職の動機などは先にご紹介した寺島さんと大きな違いがないように思えるかもしれません。ただし加藤さんの場合、3回の転職で、すべて同じような会社に就職してしまっているということに最大の問題があります。

つまり過去の転職において、キャリアアップを果たせていないわけです。これでは何を目的として転職し、結果としてその目的を達成できたのかどうか、採用担当者にきちんと説明することができません。

もちろん、すべての転職が必ず上手くいくという保証はありません。実際に入社してみたら、事前の約束とは違う職種にアサインされたり、思ったようなキャリアアップの道が開けていなかった、などのトラブルも十分に考えられるでしょう。

とはいえ、同じような会社に3回も就職するようでは、過去の失敗から学んでいないと見なされる可能性があります。このような場合は、転職回数の多さが明らかなマイナスとなってしまいます。

やむを得ない理由での転職なら本人のがんばり次第

では会社の倒産など、やむを得ない理由で転職を行った場合はどうなのでしょうか?
最後に、ベンチャー系ソフトハウスにソフトウェアエンジニアとしてお勤めの、西本達徳さん(仮名 38歳)の例を見てみることにしましょう。

不況から会社を早期退職して3回目の転職

西本達徳さん 38歳
ソフトウェアエンジニア

元は中堅SIerに勤務しており、プロジェクトマネージャとしての経験もある西本達徳さん。転職の予定はありませんでしたが、リーマンショックの影響で給料の遅配などがあり、早期退職制度を利用することに。

エンジニアとして十分な実務経験やスキルは備えていた西本さんですが、半年の就職活動にも関わらず仕事がまったく見つからなかったため、やむなく派遣社員として働くことを決意します。

1年後には、なんとか現在のソフトハウスに就職することができましたが、改めて元の仕事にチャレンジしたいという強い意志から、再度の転職活動を行うことになりました。

西本さんの場合、派遣社員として働いていた期間を含めて3社に勤務していますし、働いていない期間が長期にわたってあるなど、経歴だけを見れば門前払いされても不思議ではありません。

ところが実際には、約2カ月の転職期間で元の中堅SIerと同規模の会社にプロジェクトマネージャとして復帰することができ、給与も元のレベルまで戻すことができました。

西本さんのケースは、決して前向きな理由による転職とはいえません。ただし、転職に至る状況やその間の努力をキチンとアピールできるならば、採用担当者も必ず理解してくれます。大事なのは、納得のいくストーリー作りなのです。

もちろん同じ転職理由であっても、伝え方一つで採用担当者の印象は全然違ってきます。そこをどうアピールするかが、転職を成功させるためのコツではないでしょうか。

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