転職で成功する人の「応募数の法則」|応募数ごとの事例を紹介

意外と知られていない! 転職に成功する人の「応募数の法則」

転職にあたり、よくいただくご質問に「何件くらい応募すれば良いのでしょうか?」というものがあります。たくさん応募することで、転職に成功した人。逆にたくさん応募し過ぎたために、失敗してしまった人。

いったいなぜ、この差が生まれるのでしょうか? もちろん、転職活動に割ける時間の制約もあるでしょうから、たくさん応募すれば良いというわけではありません。とはいえ、慎重になりすぎても良い結果が生まれるとは限りません。

 

目次

 

離職して転職活動したNさんの場合

まずは、中堅のSI(システムインテグレーター)企業でシステムエンジニアとしてお勤めの、Nさんの例を見てみましょう。

Nさん 30歳
アプリケーションエンジニア

下請け作業が多かった現在の会社に限界を感じたNさんは、上流工程にチャレンジできる会社への転職を目指して、30歳を機に離職。すぐに転職活動を始めましたが、2カ月が過ぎても、採用内定にこぎつけることができませんでした。

Nさんの場合は、とにかく応募の数が少ないことに原因がありました。どちらかといえば慎重な性格のNさんは、自分の目的に合った企業を選ぼうとするあまり、わずか6件しか応募していなかったのです。

6件の応募で書類選考に通るのは、わずか2件

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SI業界を例に挙げると、一般的に書類選考の通過率は3分の1程度です。これが面接の場合は、2分の1程度となります。書類選考の後に面接が2回行われると仮定すれば、採用内定を取れる可能性は単純に12分の1ということです。

応募される方の実力や企業側の事情によっても異なりますが、6件という応募がいかに少ないかはご理解いただけると思います。

請負型ビジネスであるSI業界では、採用企業がどういうプロジェクトを手掛けているのか、どういう仕事を担当させてもらえるのか、オファーを受けた段階で初めて知り得る情報も少なくありません。

つまりキャリアアップというテーマを実現するためには、可能な限りたくさんの面接を受け、選択肢を増やしていく必要があるのです。

また、社風や上司との相性を重視して転職する方は、実際に面接に行かないと分からないことが多いため、とにかくたくさん応募して面接を受けることが重要だといえます。

なんとか転職できたものの…

ちなみにNさんの場合、その後、転職はできたものの、業務内容が以前の企業と大きく変わらず、結果としてキャリアアップに結びつけることはできませんでした。

離職期間が長くなってしまうと、どうしても金銭的な理由から転職条件に妥協してしまう傾向があるため、なるべく離職はせずに転職活動を行う方が良いといえます。

会社に勤めながら転職活動をしたKさんの場合

次に、同じく中堅のSI企業で現職のエンジニアとして勤務している28歳のKさんの例を見てみましょう。

Kさん 28歳
アプリケーションエンジニア

Kさんは要件定義などの上流工程に携わった経験も持つ優秀なエンジニアですが、転職にあたってはキャリアアップに加えて、給与や勤務時間などの待遇面を改善したいとの強い希望もお持ちでした。

面接の重要性を理解していたKさんは20件以上応募し、9つの企業と面接に進むことができました。ところが、採用担当者との面接ではいずれも好感触を得られず、なぜか採用内定には結びつきません。

在職中の転職活動はスケジューリングが大切

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実はKさんの場合、短期間で面接を詰め込みすぎたため、準備が不足していたことに大きな原因がありました。Kさんがはまった落とし穴とは、エンジニアという過酷な仕事を続けながら、短期間で9件もの面接をこなそうとしたことにあります。

勤務時間後に面接を設定するなど、企業側にもスケジュールを調整してもらっていたのですが、毎日深夜に帰宅してから翌日に面接する企業の志望動機を考えるというようなギリギリの状況では、そもそも無理があるといえるでしょう。

もちろん、先程のNさんの例からも分かるように、転職にあたってはたくさんの面接を受けて、いろいろな選択肢を持つことが原則となります。

とはいえ履歴書や書類の作成、面接のための準備は時間をかけてしっかりやっておかないと、良い形で面接を受けることはできません。

できる限り多く応募して面接を受けたいという気持ちは分かりますが、Kさんのケースでは普段の仕事と折り合いをつけながら、余裕あるスケジュールを立てるべきだったといえるでしょう。

結局、内定獲得には至らず…

なおその後、Kさんは、結局、採用内定を取ることができず、いったんリセットして私どもと転職活動の作戦を練り直しました。「上流工程に携わる」という希望をふまえ、余裕を持ったスケジュールを立て、新たな企業へのアプローチを続けている状況です。

応募先を絞り込んで成功したSさんの場合

転職される方のスキルや経験、転職動機によっては、あえて応募先を絞り込んだ方が採用内定に結びつく場合もあります。

つまり自分のキャリアを軸に、それを生かせる企業へと狙いを定めるわけです。最後は、32歳で外資系ソフトベンダーにお勤めのSさんの例を見てみましょう。

Sさん 32歳
システムコンサルタント

Sさんは工場の生産部門などを対象にした生産管理ソフトウェアを専門に担当しており、現在ではマネージャーの立場から、導入コンサルティングからサポートまでをこなすITエンジニアとして業務を行っています。

転職動機は「より雇用条件の安定した日本企業に就職したい」というもので、これまで扱ってきた生産管理ソフトウェアを導入した企業において、社内エンジニアとして勤務したいという希望をお持ちでした。

条件の絞り込みが採用確率のアップにもつながる

Sさんのように明確なターゲットがある場合、条件に合致する企業だけに応募すれば良いわけですから、むやみに応募数を増やす必要はありません。

むしろ重要なのは、どのような条件で絞り込めば自分の強みを最大限に売り込むことができ、キャリアアップにつながるのか事前にきちんと計画を立てておくということです。

通常は、企業側のニーズと求職する側の条件が一致するほど、採用される確率は高くなりますし、より好条件でのオファーを受けることができます。またターゲットが絞り込まれているほど、私どもコンサルタントとしても、数ある求人の中からより適切な企業をピックアップしてご紹介できる利点があります。

Sさんの場合は、これまで携わってきた生産管理ソフトウェアのプロダクトを転職のキーワードとすることで、同じソフトの運用管理者を探していた企業からすぐに採用内定を得ることができました。

3つの事例が示す「応募数の法則」

このように、ご自身のキャリアや現在の状況、転職のテーマに応じて応募数や応募の条件をコントロールしていくことこそが、良い転職に結びつくキーワードといえるでしょう。

もちろん選択肢は多い方が良いのですが、現職に留まったまま転職活動を行う場合は、転職活動のクオリティを維持するためにも、しっかり時間をかけて面接に臨むことが大切です。

「なかなか採用内定が取れない」「希望に応じたオファーを受けられない」などの悩みを抱える方は、どういった企業に何件応募すれば良いのか、改めて応募数と企業を選ぶ条件のバランスを確認してみてはいかがでしょう。

Check Points ~転職で成功する人になるための心得!

  1. 1.転職活動は在職中から始めよう
  2. 2.社風や業務内容など、実際に面接してみなければ分からないことも
  3. 3.最終的な選択肢を増やすためにも、原則として応募は多い方が良い
  4. 4.転職のテーマを再確認し、応募企業に狙いを定めよう
  5. 5.自分のキャリアを生かすためには、あえて条件を絞り込むのもポイント

Profile

横山あかね(よこやま・あかね)
横山あかね(よこやま・あかね)
LHH転職エージェント コンサルタント

大学卒業後、アデコ入社以来10年以上、企業担当者として、およそ500社の人事採用担当者とのパイプを築く。2013年の10月からプロフェッショナルエンジニア本部に配属。現在は大阪を拠点に、IT系をはじめとする専門職種を担当している。

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