医療機器商社の30代営業職の異業界・異業種への転職|転職事例

業界も職種も違う仕事に。即戦力として採用されたミドル

「業界がイヤではないけれど、他の業界に興味もある。でも年齢や待遇の維持を考えるとそれは難しいですよね」というミドル世代のお客様。これに対しての回答は「はい、むずかしいです。でも、可能性はゼロではないです」と答えています。医療機器商社の営業職から自動車パーツメーカーの新規事業立ち上げメンバーとして転職された事例をご紹介します。

経験職務から得られたスキルを新しい視点で生かす

30代の医療機器商社で営業職をしているお客様が転職を考えているそうです。「業界がイヤではないけれど、保守的なイメージがあるので他の業界に興味もある。でも年齢や待遇を考えるとそれは難しいですよね」と。

これに対しての回答は「はい、むずかしいです。でも、可能性はゼロではないです」と答えています。
転職をしたいと考えたときに多くの人が浮かぶ方向性というのは、だいたい3パターンに分かれます。

  • 職種が同じ
  • 業種が同じ
  • 未経験の仕事へチャレンジする

これらに勤務地や年収といった条件をかけ合わせて探すことが王道のスタイルで、自分ひとりでもインターネットで探せます。
しかし、それ以外のパターンというのがあります。

  • 経験職務から得られたスキルを新しい視点で生かす

この第4のパターンは、なかなか自分一人で行うというのは難易度が高いものです。というのも、これができるのはキャリアの理解、転職市場、最新の求人動向といった、まさに転職エージェントが強みとするスキルが必要になるからです。

いずれも字面だけでは理解できない、その仕事をするということの本質的な意味合いや、それを遂行するために必要な力や背景にあるものをちゃんと分かっていることが必要になります。
さらに、それを評価する仕事がなんなのかというひもづけ、それが求人として今あるのかという最新情報のキャッチアップ、そういったことへの情報が欠かせないのです。

現職と転職候補となる求人との共通点となる力を見出して、それを一般的なスキルとして表現を変え、ご本人・転職先企業にわかるように伝えていきます。
このように一見、接点がまったくないよう見える仕事も、私たちからするととても似ている仕事に見えることがあり、このように可能性をつむぐことが力の見せ所であると思っています。

転職先は異業界・異職種

今回、転職のサポートをさせていただいたお客様は、業種・職種ともに大きくチェンジしての転職をされました。

  • キャリア
    30代の男性
    医療機器業界15年。1社目はメーカー、2社目は商社、いずれも営業職
  • 転職先
    自動車部品メーカーでの新規医療機器部門立ち上げ
  • 転職理由
    家族の介護が必要な状況になり関西へのUターン希望
  • 入社の決め手
    関西が勤務地で転勤がなく転職理由を解消できる。
    入社時期に制約があり、それを受け入れてもらえた。
    医療業界は守りのイメージがあったが、新規事業拡大という攻めの姿勢での関わり方へおもしろみを感じ、今後の業界・事業の成長をみたいと思った。
    主力事業は順調で財政など基盤がしっかりしており、新規事業におけるリスクが緩和できる。
    なにより最後の転職にしたいと考えており、腰を据えて働ける環境と思えたこと。

転職先に選んだのは、地元である関西に本社を置く自動車部品メーカーで、その分野ではトップクラスのシェアを誇る企業です。実は、この自動車部品メーカーは、新規ビジネスとして医療機器事業を立ち上げが決まっていましたが、当然社内にはその分野に明るい人材はおらず、中途採用によって外部から招へいしようと考えていたのでした。

今回業種は変わりましたが、以下のようなスキルが共通項として推せると判断しました。

  • 医療機器業界の知識
    これは、すぐに思いつくと思います。業界経験者ゆえの商品や専門知識、商慣習です。
    つぎに挙げるのは営業職としてのスキルが、新規事業立ち上げに転用できるものです。
  • 傾聴力
    お客様の話しを聞いてきた経験は、中途入社・新規事業を立ち上げるには欠かせないです。
    これがすべての基盤となる力といっても過言ではないでしょう。
  • 課題発見力
    いまの営業職はモノ売りではなくソリューション提供です。営業活動とは課題発見力の積み重ねといえ、それは事業を軌道に乗せるために大きな力となります。
  • 調整・交渉力
    事業の立ち上げは社内外の関係者と密で深く長きわたる調整が推測されます。もめないようにしつつ、こちらの意向を通していく交渉力は15年間磨いています。
  • 情報収集力
    営業職は情報のキャッチアップは常に行っていることです。社会ニュース、業界、競合、自社の情報、フォーマル・インフォーマルともに耳に入る自分なりのネットワークを持ちます。
  • 推進力
    今回のようなゼロからイチを作っていくには、市場を開拓し社内外との関係性を構築していくことが大切になり、それは営業職としてはよく行っていることです。

いかがでしょうか。
これ以外にも、ストレス耐性の強さ、トラブル対応の柔軟性も営業職としての経験が、転職先でも生かせると思いました。
これがレジュメ情報だけではできないマッチングの一例です。

医療機器業界の求人動向

採用企業にも、これらと医療機器領域での一貫したキャリアが高く評価されました。最近の医療機器業界の求人動向においては、未経験枠と経験者枠の要件にひらきがあるように感じています。

未経験枠があるのは、育成環境が整っているからともいえるので、それは経験有無問わず、の目安になるかと思います。(育成環境が整っている=働きやすさとは限らないから)
また、なかなか経験者が採用できないポジションや、組織の年齢構成を若返りへシフトするため制限を設けている場合は、ポテンシャルを見て採用している傾向が感じられます。

経験者枠は、即戦力を求めています。領域経験や実績を持ち合わせ即座に独り立ちができるようなピンポイント人材を欲しているため、処遇に期待できる求人も少なくありません。

今回のように異業界ではあるが事業領域としては経験者というキャリアプランは、医療業界に新たに参入した企業にてある意味先端を進むことが、仕事として面白いと思います。会社としては新人社員でも、業界経験者として引っ張っていく立場になるため、経験する幅が広がると思います。

医療機器業界の求人動向

その制約、自分で作っていませんか

今は売り手市場で、転職したい方にとっては追い風が吹いています。売り手市場ということは、選択肢が広がっているということ、厚遇が期待しやすいということだと考えています。
さらに労働人口の減少、人手不足倒産と、あちこちで人材獲得の重要度が高まっています。

インターネットで調べられることは、基本的には“過去の他人”の情報です。自分で制約を作って動かないことは、もったいないと感じます。
“今のあなた”に対しての転職プラン、制約なしで一度考えてみてはいかがでしょうか。

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コンサルタント

倉愛実
倉 愛実
専門・担当領域:ライフサイエンス&メディカル(医療機器、理化学機器、製薬)

医療機器の営業職を経てLHH転職エージェント(アデコ株式会社)に入社。製薬・医療機器・理化学機器業界の転職支援を担当。自身の経験から業界の慣習や実際の現場の雰囲気も熟知しており、求職者・企業双方のニーズを的確に把握できること強みとする。業界のネットワークも広く、いち早く最新動向をつかみ、求職者に有用な情報を提供している。

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