株式会社INPEX
【部署紹介(部門の業務概要等)】
2021年3月に水素・CCUS事業開室が立ち上がり、2022年1月には水素・CCUS事業開発本部として拡大し、2050年ネットゼロカーボン社会に向けて、既存のOil&Gas事業で蓄積した技術に親和性の高い水素・アンモニア、CCUS事業を推進しています。
海外・国内の両事業を包括的に担当し、社内における水素・アンモニア、CCUS事業のヘッドクォーターの立場として、プロジェクトの立案、推進、管理、また、新規技術の調査・開発・導入、関連する制度の調査や提言などを担っています。
【部門の今後の方向性・中途採用募集の背景】
水素・アンモニア事業は、既存事業と一定のシナジーはあるものの、会社全体としてはOil&Gas事業に比べて知見の少ない分野です。本事業分野の知見・経験を有する方に、新規案件の創出業務、新規案件の事業化推進業務に携わり、事業拡大に向け力を発揮していただきたいと考えております。また、本部内の業務ユニットや他部署の技術本部、各地域事業本部、営業部門、輸送等関連部署と連携を取りながら迅速に効率よい判断を行うために、技術的観点、プロジェクト運営の観点から貢献していただける方を必要としています。
【職務内容】
水素・アンモニア、CCUS事業に関連する次の業務
(1) 水素・アンモニア、CCUS事業の創成・推進 (技術評価・提案、当社ビジネスの展開、パートナー連携とビジネス構造、プロジェクトマネジメント(戦略、組織論、プロジェクト事業計画、事業経済性、リスク管理、プロジェクト統合&調整)、プロジェクトコントロール(契約、コスト、スケジュール)、対外折衝等)
(2) 水素・アンモニア、CCUSに係る当社技術水準の向上に資する技術調査及び技術情報の全社的な展開と共有(複数の専門分野への関与し技術統合実施、新分野への関与、外部コンサル・エンジニアリング会社のハンドリング、社内技術関連部署技術者との連携)
(3) 若手技術者の育成、教育支援、技術者ネットワークの醸成
(4) 社内外の技術レビューへの参加・貢献
■本ポジションの魅力/企業から応募者へのメッセージ
2050年ネットゼロカーボン社会に向けてエネルギー産業のトランジションが進む中、当社もエネルギー企業として既存事業での経験・資産を最大限活用しながらエネルギートランジションへの対応を図っていきます。
その中でも特に当社が新たに推進するブルー水素・アンモニアに関わる事業に対して技術的な側面から、プロジェクトの立案、評価、推進、価値向上に貢献していただくことを希望しています。
■企業の魅力
1)大手石油メジャーと肩を並べる事業規模の石油開発会社
・石油、天然ガスの生産量は2022年段階で62万バレル/日。これは石油メジャーであるエクソンモービル(アメリカの石油メジャー)やトタル(フランスの石油メジャー)に次ぐ生産量
・INPEXは事業の9割は海外。その中でも豪州でのイクシスプロジェクトは天然ガス事業で大規模に事業展開中
~イクシスプロジェクトについて~
オーストラリアの天然ガス田(地下2000m)から掘り出し、シクシスの施設で少し精製したのちパイプラインでダーウィンにある液化プラントへ繋ぎ、年間約890万トン生成し、東京や台湾へ輸出している世界最大規模の天然ガス供給プロジェクトで、1000〜1200人のオペレーターを抱えた業務規模で現在も日本国の天然ガス需要に大きく貢献している
2)2050ネットゼロカーボン社会に向けて
・ネットゼロ5分野と、石油天然ガス分野の二刀流で、2030年にCO2排出30%オフ、2050年にゼロカーボンの実現を目指している
・ネットゼロの5分野は、①水素、アンモニア事業、②CCUS事業、③再エネ、④カーボンサイクル、新分野、⑤森林に分けてそれぞれに注力
・ネットゼロ5分野に2022年収支(5〜6兆円)のうち2割を投資する方針(0.7〜1兆円)の計画で進行中
3)選択と集中
・アメリカ国のイーグルフォード層でのシェールオイル産出はコロナ禍による原油価格下落によるバランスシート悪化に伴う事業撤退
・集中対象として、石油天然ガス生産はもちろんのこと、以下のネットゼロ5分野としての事業を展開。
◯第一位:豪州(イクシスプロジェクト)、CCUSや、水素アンモニア、森林事業にメタネーション
(メタネーション→CO2をメタンに変える技術。メタンは効率的に水素生成が可能)
◯第二位:アブダビ、主に石油の生産で、CCUS事業も展開
◯第三位:東南アジア(インドネシア、マレーシア等等)、CCUSや、地熱開発、森林事業を展開
※インドネシアのサルーラ地熱発電事業は世界最大規模(出力330Mw)
◯第四位:欧州(ノルウェーが中心)、風力発電事業
◯そして日本国内:伝統的な新潟での事業で、CCUSや、メタネーション、地熱や風力発電事業を展開
4)今後も続く不安定なエネルギー市場の中での存在感
・欧州、アメリカのサプライチェーンと、ロシア、インド、中国のサプライチェーンと二極化分断という構造変化がウクライナ戦争の一件で発生。短期的に見るとコロナ禍明けの中国のエネルギー需要の増加も視野にとらえる必要あり変動の激しいマーケットが続く見通しとなっている。
・しかしINPEX社としては、近年注目されているCCUS事業で日本トップ、世界トップに立つことを目指し、今現在も新潟の柏崎市の南長岡天然ガス田や、ダーウィン近郊にCCS用の鉱区の獲得など、いまもなお着実に技術研鑽をしている。同社は既存の地下数千メートルまでの掘削技術と挙動モニタリング技術を強みにエネルギー市場で存在感を示している。
2040年までのINPEXのビジョンと成長目標:「未来のエネルギーソリューションの提供」