拡大するWeb面接。その活用方法とメリット・デメリットとは

今、注目を集めているWeb会議ツール。
新型コロナ感染拡大の影響で、「転職希望者の対面面接ができない」「新卒者への会社説明会を開催できない」などの課題から、採用現場ではWeb会議ツールを活用する動きが活発になってきました。

しかし一方で、面接や会社説明でWeb会議ツールを利用することに不安を覚える採用担当者の方も多くいます。

実際にWeb会議ツールを使って企業の採用活動をサポートしている当社コンサルタントに、Web面接の現状とメリット・デメリット、活用方法について聞きました。

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Web会議ツールとは?

Web会議ツールとは、パソコンやスマートフォンなどのデバイスから、オンライン上でミーティングやセミナーを開催できる会議ツールです。
1対1のコミュニケーションから、1対多数へのプレゼンテーションが可能です。複数名の顔を映し出して会議をする「ミーティング機能」、多数の参加者を集めてセミナーなどができる「ウェビナー機能」などがあります。

採用現場で活用するには

ここからは、Spring転職エージェントおよびspring就活エージェント(いずれも現LHH)のコンサルタントが、Web会議ツールを実際の採用活動でどのように利用しているのか、事例も含め、現場の声を紹介します。

――採用面接は、今どのような潮流にあるのでしょうか?

Sping転職エージェント(現LHH)〈IT担当〉小森貴明(以下、小森)

「中途採用ではWeb面接に移行する企業が増えてきましたね。私が担当しているIT・ベンチャーはWeb会議ツールをもともと活用している企業が多かったので、早々にWeb面接に切り替えるパターンが多かったです。実際に3月上旬に設定した面接では、6~7割がWeb面接になりました。採用停止ではなく、Web面接に切り替えて実施している印象です」

Sping Executive(現LHH) Zhang Joyce(以下、Zhang)

「中国系の企業は『WeChat(ウィーチャット)』など、各企業が新しいオンラインツールをどんどん使い始めています。一方で、新型コロナ感染症の影響が世界的規模で出ている現状に、一部の企業は、採用活動における対応が遅れているようにも感じます」

Sping就活エージェント(現LHH)〈新卒担当〉影山陽大(以下、影山)

「企業の新卒採用は、新型コロナ感染症により、会社説明会の中止や延期、縮小などの影響が出ています。会社説明会をオンラインでの開催に切り替えるために、私がオンライン説明会の開催代行やファシリテーターを担当するなど、Web化に関わるサポートを行う機会が増えました」

――採用現場では、どのように「Web面接」が行われていますか?

小森 「私たちコンサルタントと求職者との面談は基本的にオンラインです。企業と求職者の面接も、1次面接は大半がWeb面接となっており、最終面接まで全てをWeb面接で完結させる企業も増えてきました」

Zhang「私は主にIT業種のエンジニアを担当しているので、各社書類選考をかねてオンライン上でコーディングテストを実施しています。以前は現地に行ってホワイトボードにコードを書いてもらったりしていましたが、今ではオンラインでのコーディングテストが増えつつあります」

影山「新卒紹介でも、私たちコンサルタントと学生との面談は、オンラインが増えてきています。学生はオンラインツールに抵抗が少ないので、「参加しやすい」「便利」などよい反応が多いです。企業のWeb面接を受けた学生からのフィードバックも受けているので、Web面接の実施を考えている企業に対して、求職者視点でのノウハウを提供することもできます」

Web面接における、企業側のメリット・デメリット

――Web面接のメリットとは?

小森「大半の求職者は今の仕事を続けながら転職活動をしているので、Web面接のほうが時間的な融通がききやすいですね。また、「Web面接を行える」=「環境が整っている」ということです。企業としては働き方改革が進んでいるいいアピールになるかもしれません」

Zhang「面接官が幅広い時間枠のなかで面接ができるようになりました。そのため、私たちはよりスピード感を持って面接のセットアップができます。優秀な人材の獲得には、採用スピードも大切なので、いい影響を与えていると思います」

影山「企業側で用意するものは少ないので、ペーパーレスで面接を行える手軽さがあります。また従来の対面面接では、学生は場所によっては移動時間も含めて半日ほどの時間がとられます。そのため企業側の面接官も、それに応じてスケジュールを確保しなければなりませんでしたが、Web面接ではこれらの時間コストが削減できます。海外に留学中の学生にもWeb面接は有効です」

――Web面接でデメリットになる点は?

影山「学生が実際に企業に足を運んでいないため、職場環境や社風、働いている人達の人柄を伝えにくいということが挙げられます。Spring就活エージェント(現LHH)では、オンライン説明会で学生に自社の魅力をアピールするために、どのような資料を用意すればいいか、面接官はどのようなトーンで話をすればいいのか、一緒に考えながらコンサルティングを行っています。また、コンサルタントは学生と頻繁にコミュニケーションをとって、よりエンゲージメントを高める対応を行っています」

Zhang「中途採用でも同じように、企業の風土や勤めている人の雰囲気などが伝わりにくいですね。それをカバーするには、写真や動画などを画面上で見せながら、うちはこういうカルチャーの会社ですよ、チームはこんな感じですよと求職者にアピールするようコンサルティングしています」

小森「そうですね。求職者に選んでもらうには、一工夫が必要になると思います。Spring転職エージェント(現LHH)は以前からWeb面談を行っているので、そのノウハウが役立っていますね」

――今後、この流れは広がっていきそうでしょうか?

小森「これまで使っていなかった企業も含め、面接におけるオンライン利用のハードルが下がった気がします。企業からはWeb面接の実施方法や、面接官教育のご相談をいただくことも増えました。そういったアドバイスも含めて実施につながるよう柔軟にサポートしてまいります」

影山「学生にとっては、Web面接やオンライン説明会は気楽に使えて意外と便利だったようです。時間や場所の制限がなく、また参加のハードルが下がるので、各企業の説明会に参加しやすいとの声もあります。学生にとって当たり前のツールになるのであれば、企業側の対応も必要になってくるのではないかと思います」

こんな使い方も!オンライン会社説明会で、集客がアップ!

――Spring就活エージェント(現LHH)は、オンラインによる会社説明会の場を提供していますね。

影山「はい。会社説明会は“ウェビナー機能”を使い、Spring就活エージェント(現LHH)と共同開催することが可能です。Web説明会の流れやコンテンツの整理、諸注意など、開催にあたり各種ご支援しています」

――代行した企業からはどのような反応がありましたか?

影山「ウェビナー機能では、視聴する学生の顔は表示されませんので、反応が見えづらくて不安だという声がありました。そこで、挙手機能(主催者に対する参加者からのアクション機能)を使って、SNSの『いいね』をする感覚で、反応を“見える化”しました。また、匿名で質問できるQ&A機能で学生の発言を促し、受け身ではなく参加しやすい工夫もした結果、企業の担当者も満足されていました」

――オンライン会社説明会はどんなメリットがある?

影山「当初10人だった参加者が、オンラインに切り替えたところ18人に増えました。自宅から気軽に参加してみようと思う学生が増えたのでしょう。またオンラインにしたため、地方に住む学生も積極的に参加してくれました。このように、これまで参加できなかった学生層も確保できるようになり、採用チャンスも増えるでしょう」

――今後、使い方はどのように広がっていきそうですか?

影山「現在の新型コロナ感染症でイベントの制限が続く状況において、採用活動をストップしている企業も少なくありません。学生一人ひとりのスケジュールも空き気味なので、それを見越してオンラインでの説明会を実施すれば、学生の集客や、その後の人材確保につながる可能性があります。さらに、リアルな説明会では席数に制限があります。満席で参加できなかった学生に向けて、オンラインで説明会を追加配信するなど、使い方もさまざまです」

Spring転職エージェント・Spring就活エージェント(いずれも現LHH)の一番の目的は、企業と求職者に納得感のある採用、そして入社をしてもらうことです。
それを実現させていくために、オンラインでの採用活動の提案・コンサルティングもしています。コンサルタントが企業と求職者の双方を担当する360度式コンサルティングを採用しているからこそ、双方の立場も理解したうえでできる採用支援やアドバイスを展開していく考えです。

  • 取材日:2020年3月12日

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