人材紹介とは?人材派遣との違いやメリット、選ぶ際の注意すべき点についても解説

人材紹介は、人材を採用したい企業と求職者をマッチングするサービスです。自社の採用活動を効率化でき、低コスト・低リスクで人材を獲得できるメリットがあります。自社で人材が必要になり、利用を検討している人もいるのではないでしょうか。

本記事では、人材紹介の特徴や選び方、利用上の注意点などを解説します。混同しやすい人材派遣との違いにも触れているため、ぜひ役立ててください。

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人材紹介とは

人材紹介とは、企業のニーズにマッチする人材を紹介するサービスです。正式名称は「有料職業紹介所」といい、厚生労働大臣の認可を受けた事業者が職業安定法に基づいて運用しています。いわゆる転職エージェントも、人材紹介の一種です。

また、採用活動を自社で実施するとコストや時間がかかりますが、人材紹介を利用すれば求職者の選出や選考、スケジュール調整などのサポートを受けられます。

人材紹介と人材派遣は異なる

人材紹介と人材派遣は字面こそ似ていますが、異なるサービスです。

人材紹介では、通常の就職と同様に、紹介された人材と会社が直接雇用契約を結びます。賃金も会社が支払い、人材紹介会社には雇用契約締結時に紹介手数料を払います。

一方の人材派遣とは、条件に合う自社スタッフを派遣するサービスです。派遣先企業とスタッフとの間には雇用関係がありません。サービスを利用する企業は、スタッフの賃金や手数料を毎月派遣会社に支払います。

紹介手数料の相場は年収の35%前後

紹介手数料の相場は、理論年収の35%前後です。理論年収とは、採用された人材が1年間に得ると想定される収入の合計です。

手数料の割合(手数料率)は職種やスキル、人材紹介会社によっても異なり、専門分野の経営層などでは40%を超えるケースもあります。

人材紹介は3種類に分けられる

人材紹介は、大きく以下の3つに分類できます。

  • 一般登録型
  • サーチ型
  • アウトプレースメント型

それぞれ解説します。

一般登録型

一般登録型とは、人材紹介会社が構築した求職者データベースから条件に合う人材を選んで企業に紹介する仕組みです。最もスタンダードな種類で、雇用契約に至った場合のみ紹介手数料が発生するケースが一般的です。

サーチ型

サーチ型とは、企業が求める人材を、人材紹介会社がヘッドハンティングやスカウトなどの多様な手法を駆使して探し出し、紹介するサービスです。採用難易度が高い人材でも効率的に探せる点が魅力で、経営層やスペシャリストの採用に適しています。ただし、サーチ型では、着手金(リテーナーフィー)がかかる場合があります。

アウトプレースメント型

アウトプレースメント型とは、倒産やリストラなどで人員削減の対象になった人を他社に紹介する仕組みです。再就職支援型とも呼ばれます。人材を放出する会社が手数料を支払うため、採用会社は無料または低コストで人材を獲得できます。

アウトプレースメント型に興味がある人は、弊社の再就職支援サービスも参考にしてください。
再就職支援サービス

人材紹介のサービスの種類

人材紹介は、業務スタイルや対象とする職種・地域の違いによって6つの型に分類できます。

業務スタイル 分業型 統一型
業種・職種 統合型 専門特化型
地域 全国型 地域型・エリア型

それぞれの特徴を解説します。

分業型

求職者と企業を別々の担当者(コンサルタント)がサポートする業務スタイルです。業務効率が上がりやすく、より多くの求人案件・求職者を集められます。ただし、担当者間の情報共有が不足するとスムーズなマッチングができず、企業や求職者の満足度が低下するおそれがあります。

統一型

1人の担当者が企業と求職者を一貫してサポートする業務スタイルです。手厚いサポートが可能ですが担当者の業務負担が増えるため、対応できる人数に限りがあります。

総合型

幅広い業種・職種を扱う人材紹介です。登録者の数が多く、カバーする職種も多岐にわたるため、複数の職種を同時に採用したい場合などに役立ちます。ただし、特定の職種や地域で登録者が少ないなど、偏りが出る場合もあります。

専門特化型

特定の業種・職種を扱う人材紹介です。登録者の総数は統合型より少ないものの、専門性が高い人材を集めやすい特徴があります。コンサルタントに業務知識があるケースも多く、企業のニーズに寄り添った手厚いサポートが可能です。

全国型

全国の登録者を対象とする人材紹介です。ニーズに合う人材を絞りやすいものの、登録者が首都圏や大都市圏に集中しやすいため、その他の地域では人材を探しにくい場合があります。

地域型・エリア型

地域密着型の人材紹介です。首都圏や大都市圏以外でも人材を探しやすい点がメリットです。ただし、サービスが特定の地域に限定されるため、登録者数が限られ、ニーズに合う人材が見つからないケースもあります。

人材紹介を利用して得られるメリット

人材紹介を利用するメリットを解説します。

メリット1採用決定まで費用がかからない

1つ目のメリットは、採用決定まで費用がかからないことです。人材紹介の料金体系は、基本的に成功報酬制です。一部を除き、人材を獲得できなかった場合は手数料が発生せず、採用コストが無駄になりません。ただし、着手金がかかるサービスもあるため、事前に料金体系を確認しておきましょう。

人材紹介会社に返還金規定がある場合は、採用した人材が早期離職した際に手数料の一部が返還されます。

メリット2自社にはない母集団にアプローチできる

2つ目のメリットは、自社を検討していない、または認知していない求職者にもアプローチできることです。通常の採用活動で候補となる人(母集団)は、自社に興味がある求職者のみです。一方、人材紹介を利用すれば接点がない求職者にも自社の魅力を訴求でき、採用フローに引き込める可能性が高まります。

メリット3採用担当者の手間や作業時間を抑えられる

3つ目のメリットは、採用活動を効率化できることです。人材紹介会社は人材募集やヒアリング、求人票作成、スケジュール調整などの幅広い業務をサポートします。採用担当者の負担が減って人材選びに集中できるため、ミスマッチも防ぎやすくなります。

メリット4客観的な視点で自社の魅力を伝えられる

4つ目のメリットは、求職者に対して客観的な立場から魅力を訴求できることです。経験豊富なコンサルタントの客観的な意見やアドバイスは求職者に信用されやすく、不安軽減にも役立ちます。

メリット5非公開求人の採用活動が可能になる

非公開の採用活動ができる点も人材紹介のメリットです。応募の殺到を避けたい、競合他社に自社の動向や求人内容を知られたくない、などの都合がある場合は、非公開求人の利用も検討しましょう。

人材紹介会社を選ぶポイント

人材紹介会社を選ぶポイントを3つ紹介します。サービスの利用を検討する際の参考にしてください。

Point1サービス内容

前述の通り、人材紹介会社にはさまざまな種類があります。一般登録型・サーチ型・アウトプレースメント型の特徴、業務スタイル、対象とする職種、地域性などを考慮して自社に合うサービスを選びましょう。

Point2登録者の数や質の高さ

登録者の数や質は、人材紹介会社によって異なります。利用を始めてから必要な人材を獲得できないと判明すると、かけた時間が無駄になってしまいます。あらかじめ自社と人材紹介会社の相性を確認しておくと安心です。

Point3コンサルタントの姿勢や対応

コンサルタントの姿勢や対応も重要な判断材料です。必要なサポートが受けられないと求職者に不信感が生まれやすく、採用につながらないリスクが高まります。担当者が頻繁に変わる会社や連絡が取りにくい会社も避けた方が無難です。

人材紹介サービスを利用する手順

人材紹介サービスを利用する手順を解説します。

契約をする

人材紹介会社を選んで契約します。複数サービスの併用も可能ですが、採用担当者の負担が増える点に注意しましょう。契約内容には、紹介手数料や返戻金の割合、支払いタイミングなどが盛り込まれます。

紹介会社と打ち合わせをする

人材紹介会社のコンサルタントと打ち合わせをして、自社のニーズや労働条件を伝えます。打ち合わせで決まった内容で求人票が作成されるため、必要な人材の人物像やスキルなどを事前に明確にしておきましょう。

募集を開始する

人材紹介会社が募集を開始します。コンサルタントとのこまめな情報共有を心がけて、最適な募集条件を設定しましょう。条件を絞りすぎると、該当する人材が見つからない可能性が出てきます。

書類選考や面接を行う

人材紹介会社から紹介された人材の書類選考を実施します。書類選考を通過した人材がいる場合は、面談のスケジュール調整を人材紹介会社に依頼しましょう。採用に至らなかった場合は別の人材を探してもらえますが、条件を見直すなどの対応を求められる場合もあります。

採用通知・内定

採用者が決まった場合は速やかに採用通知・内定を出しましょう。求職者への電話連絡や入社日の調整、労働条件の交渉などは人材紹介会社が担当します。入社まで期間がある場合は内定辞退のリスクを下げるために、内定者インターンや懇談会などを実施して接点を増やしましょう。

入社・手数料の支払い

内定者が無事入社した場合は、人材紹介会社に成功報酬分の紹介手数料を支払います。契約に返還金の項目が盛り込まれていれば、採用した人材が早期離職した場合に規定の金額が返還されます。

人材紹介を利用する際に注意すべき点とは

人材紹介を利用する際の注意点は以下の3つです。

  • 採用ごとに紹介手数料がかかる
  • 採用活動のノウハウを蓄積できない
  • ミスマッチが起こる場合がある

それぞれ解説します。

採用人数により紹介手数料がかかる

人材紹介の手数料は、採用された人数ごとに発生します。2人採用すれば2人分、3人採用すれば3人分の手数料がかかる仕組みです。

たとえば、理論年収が400万円で手数料率が35%なら、費用は140万円です。しかし、同じ年収で2人採用した場合は280万円の手数料がかかります。

採用活動のノウハウが自社に蓄積されない

採用活動の負担を大幅に軽減できる点は人材紹介のメリットですが、採用活動のノウハウを蓄積できないデメリットにもつながります。採用活動を人材紹介会社に任せきりにするのではなく、サポート内容を検証する、内定者のフォローを自社で担うなどの方法も検討しましょう。

ミスマッチが発生する場合もある

人材紹介を利用しても、ミスマッチが発生する可能性はあります。妥協して採用を急ぐと企業の損失や離職につながる可能性が高まります。

まとめ

人材採用は、企業に求職者を紹介するサービスです。採用担当者の負担を抑えながら低リスク・低コストで採用活動ができる点がメリットです。ただし、完全にはミスマッチを避けられず、より積極的なサポートを希望すれば費用がかさむ可能性もあります。

「LHH」は、Adecco Groupの人材紹介サービスブランドです。統一型の「360度式コンサルティング」と「職種+業界別専門チーム体制」を採用しており、求職者と企業の「ビジョンマッチング」を心がけています。条件マッチでだけでなく、価値観や将来のビジョンまでを考慮して、双方にとって最適な出会いを提供できる点が強みです。

人材紹介のミスマッチを最小限にとどめたい場合は、利用を検討してみてはいかがでしょうか。

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