「新卒採用ルール」どう変わる?最新事情と今後のポイント

2018年秋、日本経済団体連合会(経団連)が新卒者採用の指針として掲げてきた「3月広報開始、6月選考開始」という現行ルールの廃止を表明しました。

「日本の新卒採用ルール」として重視されてきた経団連指針ですが、加速する少子化やグローバル人材の波も相まって、早めの採用活動を実施する企業が相次いでいます。そして、「新卒一括採用」の時代から「通年採用・中途採用」に比重を置く流れも加速しています。

「来春以降の新卒採用はどう変わるのか」「どんな対応が必要なのか」最新の動向や今後の流れをお伝えします。

2021年春入社の採用ルールは?

経団連から「新卒採用スケジュールの指針廃止」の表明がありましたが、企業・学生の双方にとって、急な変更は好ましくないため、2021年4月入社は、現状通りの日程となります。

ただし、日程は同じながらも「経団連ルール」から「政府主導のルール」へ変わります。

  1. 2020年4月入社 経団連ルール
    • 2019年3月 説明会解禁
    • 同年6月 面接解禁
    • 同年10月 内定開始
  2. 2021年4月入社 政府主導ルール

    経団連の日程を維持

    • 2020年3月 説明会解禁
    • 同年6月 面接解禁
    • 同年10月 内定開始
  3. 2022年4月入社 政府主導ルール

    原則、現状維持の方針

    • 2021年3月 説明会解禁
    • 同年6月 面接解禁
    • 同年10月 内定開始
  4. 2023年4月入社 政府主導ルール

    原則、現状維持の方針で検討中

なお、2021年春入社は、前年より早期に母集団を形成している企業もあるようです。 現行通りとはいえ、各企業の採用活動に注意しておいた方がよいでしょう。

2022年春以降はどうなる?

2022年春は、どのようなスケジュールになるのでしょう。
政府の方針は、

  • 学生の不安に配慮し、2022年4月の新卒入社学生は現行日程を維持する
  • 当面は、全面的な自由採用にはしない

です。

「学生が安心して学業に取り組めること」を重視し、急激なルール変更はその妨げになると判断されました。

2023年春卒業の学生採用についても、大きなルール変更はしない見通しです。ただし、実態に即した見直しについて検討を継続します。

採用企業に求められるポイント

2021年4月入社から政府主導のルールに切り替わっても、公式の「一定のルール」に大きな変化がない模様です。ただし、以下の点に留意して採用活動にアンテナを張って置く必要がありそうです。

  • 経団連未加入の企業が、優秀な若手人材やIT技術者の採用を早期化

    インターンシップを通じた早期の採用や、通年採用を重要視する流れが加速し激しい獲得争いを展開中です。
    就活ルールを守らなかった企業へのペナルティなどは特段設けられません。

  • 「通年採用」を意識した仕組みづくり

    持続的な企業の成長と拡大には、優秀な人材採用は必須です。これからの新卒採用におけるポイントは「通年採用」にあるとの指摘もあります。

<新卒採用に関する「共同提言」>

経団連と大学の「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」(座長、中西宏明経団連会長、山口宏樹埼玉大学長)は今年4月、新卒採用に関する「共同提言」を発表しています。

この中で、採用については

  1. 従来の新卒一括採用(メンバーシップ型)に加え、(通年採用につながる)ジョブ型雇用を念頭に置いた採用も含め、多様な採用形態に移行
  2. 学生の主体的な選択や学修意欲の向上に資する就職・採用方法と、質の高い大学教育を実現
  3. 企業は外国人留学生、日本人の海外留学生、大学院生などの採用を積極化
  4. 卒業・学位取得に至る全体の成果を重視すべく、卒業要件の厳格化を徹底

――などの認識を共有しています。

政府主導の日程ルールに大きな変化が見られない場合でも、現場レベルの動きは次の時代に向けて激しく動いています。

インターンシップは就活の場

この数年で目立つのは、インターンシップの急激な拡大です。

インターンシップは本来、「学生の就業体験」を目的にした企業の社会貢献活動という位置づけでしたが、経団連が2019年春入社の就活生向けにそれまでの「5日以上」から日数要件をはずし、「1日インターンシップ」を解禁して以来、企業と学生の双方にとって事実上の就活の場となっています。

インターンシップは、学生と企業現場の社員が顔を合わせることから、企業説明会などで人事担当者が説明するのに比べ、学生にとっては事業の実態や職場の雰囲気などを直に知ることのできるチャンスになっており、説明会より重視する学生が急増。

売り手市場を背景に、内定時に希望する配属部署を“指名”する学生が出るなど、採用の力関係にも変化が生じる要因になっています。

「通年採用」の時代が来る

近年は「新卒一括採用」から「通年採用」へ移行する企業も増えています。
通年採用は、

  • すでに卒業した学生
  • 留学生

を幅広く獲得できる可能性があります。

今後の労働市場は通年採用が一般化し、企業側の採用方法も多様化せざるを得なくなるでしょう。

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