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製薬業界(研究職)
アナライズ

製薬業界(研究職)の求人動向・ニーズ

厚生労働省が、2015年に「医薬品産業強化総合戦略」として発表したことから、現在、製薬業界における「新薬の開発」や「創薬」などの研究職が働くステージでは、大きな変化が起こっています。
求人に関しては、基礎研究や開発といった職種が多く、製薬メーカーは臨床開発、治験薬の生産技術開発や品質管理などを担当する技術職・専門職を、創薬ベンチャーは基礎研究を担う研究者を求める傾向が強いようです。また、今後はバイオ医薬品などの開発が世界的に広がっていくと考えられるため、核酸医薬・抗体医薬・ペプチド医薬に関する研究者のニーズも増加することでしょう。

製薬業界(研究職)のトピックス

製薬業界に置ける開発業務の分業化が進む
製薬業界は今、構造の変化が生じ、大きな転換期を迎えていると言えます。
その要因のひとつが、アメリカなどのメーカーの間で「研究と開発業務を分業するスタイル」が増えてきていることです。ひとつの新薬を開発するためには平均300億円とも言われる費用と、前臨床以降で10年以上、新薬開発で見ると約20年の期間がかかり、それが実際に発売されるに至る確率は2〜3万分の1とも言われています。このコストと時間がかかる開発の行程は、大手といわれる製薬メーカーであっても負担が大きいものであるため、新薬の候補物質のスクリーニングなどの基礎研究は大学発の創薬ベンチャーなどが受け持ち、製薬メーカーは発業務を行うといった「分業」が主流になりつつあります。
ライフサイエンス分野へ多くの開発研究予算が回され、
人材需要も上昇中
研究開発に関する国の予算は、ライフサイエンス、情報通信、環境、エネルギーなどの分野に多く配分されていることから、これらの分野では、アカデミア・民間を問わず、人材ニーズも高い傾向があるようです。
その中でもライフサイエンスへの予算配分は注目に値するものがあります。現在もiPS細胞の分化誘導や培養ができる技術者、技術確立やCPCへの技術移管をリードする開発担当者などは引く手あまたといえる状況ですが、再生医療などの最先端医療の分野の人材ニーズは今後も右肩上がりで上昇していくことが予想されるため、その需要はますます高まることでしょう。
異業種参入によって新たなニーズが生まれる
近年、化学メーカーがバイオ医薬品の開発を始めたり、鉄などの金属製のワイヤーのメーカーが、その技術を生かして医療用のカテーテルの分野に進出したり、産業用ロボットメーカーが医療用ロボット開発に乗り出したりと、異業種から製薬や医療の分野への参入が増えています。こうした企業では、優秀な人材の確保が至上命題になっているため専門的な技術とノウハウを持った人材は重宝される傾向にあります。
製薬業界の転職市場は二極化が進行中
近年、製薬業界で研究職の転職市場には、「メーカーの研究者の転職が増えている」という特徴があります。これは、新薬開発の分業化によって基礎研究部門が縮小され、やりたい研究ができなくなり、自分の知識・経験や技術を生かせる場、やりがいや生きがいを感じられる場を求めているからです。もし、ご自身がメーカーの研究職出身でなく、製薬業界の研究職への転職を考えているのであれば、そのような意識の高いライバルと戦うことになることを覚えておく必要があるでしょう。
また、大学や公的機関の任期つき研究者が、安定した研究環境を求めて転職することも増えています。こうしたメーカーやアカデミアからの転職者には、修士以上という高学歴の方も多数。その一方で、スタッフクラスでは、多少経験が浅くても、将来を見越して若手を採用する傾向があり、研究職の転職市場は二極化が進んでいます。

コンサルタントに聞く、製薬業界(研究職)の攻略法

  • Point1 転職に求めるものや、将来の働き方についての「意志」を明確にしよう
  • Point2 アカデミア出身者は論文の本数、メーカー出身者は
    研究成果がビジネスにどう結びつくのかが重要になる
  • Point3 自分のことを理解してくれるコンサルタントに相談する
製薬業界(研究職)の転職には、どのような特徴が
あるのでしょうか?
企業間の転職者も、アカデミアから企業に移る方も、転職は初めてという方が多いのが特徴です。転職に慣れていないこともあって、転職に何を求めるのか、将来にわたってどのような働き方をしたいのかといったご自身の「意志」が曖昧な方も少なくありません。転職を希望される方には、まず、「意志」を明確にすることから始めていただくケースが多いです。
企業側は、どのような人材を求める傾向にありますか?
創薬ベンチャーを含む製薬メーカーが、研究職として求める人材は「尖った即戦力」。「この技術には自信がある」といえるものを持っている人材が求められていると思います。ただ、面接の場では「研究で実績が出なかったらどうするのか?」「10年後に事業がかたちになるのか?」など、非常に受け身の話を面接の場でお話される方もいます。そうした自信のない姿を見せてしまうと、基礎研究の中核を担う人材を求めている創薬ベンチャーなどでは、マイナス印象を与えてしまうので注意しましょう。
給与などの待遇面の特徴を教えてください。
私は、転職志望者には「やりたい研究を給与で買ったと思うようにしましょう」と、発想を転換するようアドバイスしています。実は、製薬業界は他業界に比べて高待遇ということもあって、アカデミアからの転職は給与がアップする傾向がある反面、大手製薬メーカーからの転職では、思うように給与が伸びない可能性もあります。ただし、給与では得られないやりがいを獲得できる点がこの仕事の魅力。その経験は、研究職としての成長を約束してくれる給与以上の価値があるものになるでしょう。
転職にあたって、有利になる資格や経歴などはありますか?
研究職の転職でチェックされるのは、やはり研究歴です。アカデミアからの転職の場合は、論文の本数などが評価の基準になります。メーカーからの転職では、利益を生み出すような研究成果があるのか、研究成果はビジネスとどのように結びついているのかといった点が重視されるようです。
転職活動を始める際に、まず考えるべきことは何でしょうか?
大手製薬メーカーでも創薬ベンチャーでも、研究・開発はビジネスのためにするもので、研究自体が目的ではありません。誰もが理解しているはずのことですが、転職時には様々な思いもあって、意外と忘れがちな点でもあります。転職を成功させたいのであれば、まずは自分の研究をビジネスの視点でとらえ直し、それが何に役立つのか、将来どのような広がりが期待できるのかなどをしっかりと整理し、点だけではなく線や面でもとらえて説明できるようにする必要があると言えるでしょう。
ビジネスにおける自分の強みを明確にしたい場合は、製薬業界や研究職に強いコンサルタントに相談するのも一つの手と言えます。
履歴書などを作成するうえでの注意点を教えてください。
アカデミア・企業を問わず、研究者の転職でよく目にするのが、研究テーマや論文概略がびっしりと記載された履歴書です。研究歴は評価の対象になるとはいえ、どのような働き方をしていたのか、何が一番の専門なのかが伝わりにくい履歴書は、かえってマイナス評価となってしまいます。応募書類では、企業が求めるものに沿って、研究歴や論文概要などを取捨選択して記載するのが基本です。企業側に「求められる経験、もしくはそれに近い経験があり、かつ転職先でも再現可能であること」を伝えられるものにする必要があります。
面接で重要視すべきポイントは何でしょうか?
自分の研究実績などを語るだけでなく、相手の立場やニーズを考えた上で、自分の技術や経験で何ができるか、どのような貢献ができるかを提案することが必要でしょう。また、開発業務などではチームで取り組むことも多いので、コミュニケーション能力やリーダーシップがあることをアピールすることも大切です。
最後に、製薬業界の研究職の転職において「カギ」となるもの教えてください。
製薬業界の研究職であれば、「(1)スキル、(2)コミュニケーション力、(3)方向性」だと思います。
(1)の能力に関しては、言うまでもなく、転職活動の前提になるもの。自己の研究や実績、将来展望などをわかりやすくまとめることが大切です。また、「スキルがあるのは研究者として当たり前」と認識されることも少なくないので、スキルに加えて、(2)コミュニケーション力があり、属している組織の内外に人脈があるとか、グループでの研究や作業を得意にしているとかいったことをアピールできると評価につながります。
製薬業界の研究職の転職においては、5年から10年先をにらんで、(3)進みたい方向性やなりたい自分を、しっかりと決めることが重要。転職の最終的な決断は、本人にしかできません。周囲の声や状況に流されることなく決断するには、ぶれない「軸」を持つようにしましょう。

最後に

転職活動において「自分の売り」を書類で簡潔に伝え、限られた面接時間の中でわかりやすくアピールするのは難しいものです。さらに企業によって重視している点や募集背景、事業フェーズは異なるため、戸惑ってしまうのも当然だと思います。
そんなときは、製薬業界や研究職に強いコンサルタントへ相談し、疑問や不安を解消することをおすすめします。製薬業界の転職市場やトレンドに関する情報をはじめ、転職活動におけるあらゆるアドバイスまで、転職活動において有益な情報をキャッチできるはずです。製薬業界を取り巻く状況が大きく変わっていることを理解し、新しい研究環境を、私たちと一緒に獲得しましょう。

コンサルタント 太田裕子

研究職特化の人材サービス企業を経て2015年にアデコ株式会社に入社後、研究分析、再生医療、バイオ関連を中心に担当。これまでのコンサルティング実績に培われた広い人脈を強みに、特にバイオベンチャーや中小企業の求人を得意領域とする。製薬・化学企業の研究開発技術や、先端医療技術の知識が深く、求職者の強み・アピールポイントを正確に把握し最大限に伝えることで最適な転職に繋がるよう心がけている。
※2017.11.13の記事

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