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IT業界転職で成功する人、失敗する人

転職コラム:IT業界 転職で成功する人、失敗する人 転職に成功するITエンジニアはココが違う 第4回 転職するリスクよりも大きい転職しないリスク 文・藤田 孝弘(Spring転職エージェント シニアコンサルタント)

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たとえ今の会社に不満があり、キャリアアップのためには「転職が必要」と思っていても、職場を変えることのリスクを考えて、転職に踏み切れない人もいます。新しい職場での人間関係や自分の能力ではたしてやっていけるのか? という不安もつきまといます。

ましてや提示された給与や条件が、今より悪かったらなおさらです。しかし、リスクを避けるために諦めてしまったばかりに、のちの転職に大きな障壁を作ってしまう可能性もあるのです。

会社の業績悪化に伴い、転職に挑戦するものの…

特定派遣型のSIerでソフトウェアエンジニアとして働く、井上洋介さん(仮名)35歳の例をご紹介しましょう。

井上さんの会社は、主に詳細設計より後の下流工程を専門に請け負っており、井上さん自身も客先の企業に常駐して開発から運用、サポート、監視に至るまでのあらゆる作業を担当してきました。

実は井上さん、5年前(30歳の頃)に、一度転職を考えたことがありました。その時は、大手SIerから内定をもらったものの、給与面で折り合わなかったため最終的な転職には至らなかったのです。

それから5年、リーマンショックにより会社の業績も大幅に悪化。会社で待機を命じられることが多くなり昇給もストップするなど、将来に危機感を覚えるようになります。

すでに、35歳になっていた井上さんは、改めて以前からの希望だった上流工程への挑戦を改めて意識するようになりました。同時期に、派遣先で知り合った友人のエンジニアが大手SIerへの転職を成功させたことも刺激となり、さっそく転職活動を開始します。

しかし、40社以上に出した応募はことごとく書類選考で落選。ようやく2社で面接にこぎ着けることができたものの、提示された条件は現在の仕事と比較して、内容でも給与面でも大幅に劣るものでした。


年齢とともに、求められるスキルも上がる

エンジニアとして15年間働いてきた実績に自信があっただけに、大きなショックを受けた井上さん。ですが、このようなケースは決して珍しくありません。ほとんどの場合、転職の決断が遅すぎたことに原因があります。

年齢が上がると、当然のことながら転職の際に企業側から求められるスキルも、さらに高いものとなります。35歳ともなれば、通常ならばマネージャーとして複数の部下を率いる立場ですから、エンジニアとしてのスキルに加えて、予算や工程の管理に関する経験と能力が求められるでしょう。加えて、管理職であるマネージャーは、募集の枠そのものが限られています。

年齢が高いほど転職が難しいと言われる理由は、よく誤解されているように能力が衰えるからではなく、要求のハードルが上がるためなのです。
ところが井上さんの場合、小規模なプロジェクトのリーダーとしての経験はあっても、マネージャーとしての実績はありませんでした。

また、以前に大手SIerから内定をもらったという自負や友人との競争意識から、自分のスキルと見合わない高い条件を追及しすぎたことも、マイナス要因となってしまいました。

ただし、同じ内容の仕事を続けてきたために30歳の時点からキャリアアップできなかった井上さんと、企業側が求める能力の間に、5年で大きな差ができてしまったことが決定的だったといえるでしょう。


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